バンドとシーケンスの同期(“打ち込み”入門編)
たまには音楽の裏舞台の紹介も兼ねて、鋭意活動中のバンド「ユメミックス」の特徴の一つ、“打ち込み”について解説してみましょう。
“打ち込み”
定義があいまいなので諸説あるかもしれませんが、DAW(パソコンと専用のハードウエアおよびソフトウエアで構成されるレコーディング用のシステム)やMTR(レコーディングシステムを単一のハードウエアにしたもの)などに演奏情報を入力したり、それらを編集したりする行為を“打ち込み”と言います。
これが転じて、バンドの中で使う“シーケンス”およびシステム全体を、ギターやベースなどと同じように一つのパートとみなして“打ち込み”と呼んだりもします。
バンドの中での“打ち込み”の利用は、キーボーディストがいないという後ろ向きの理由による場面も見かけますが、通常は、演奏不可能なほどの大量のパートや、非常に緻密な表現が必要となるエレクトリック系のドラムやパーカッション、Lead、PAD、EFX等をバンドサウンドに入れる場合に使われます。
最も基本的なシステム構成
最も単純なシーケンスを使ったシステムはこんな感じ。

ここで注目したいのはドラマーが聴く“クリック”です。
“打ち込み”が入らない通常の演奏形態では、演奏中にテンポが速くなったり遅くなったりした場合、ボーカル、ギター、ベース、ドラムそれぞれのパートが協調して補正することになるのですが、“打ち込み”が入るとそうはいきません。TAPを使うとダイナミックにバンドのテンポと同期させることも可能ですが、基本的に“打ち込み”はいったん動作を始めると決められたテンポでしか再生されません。そこで、テンポをシーケンスと同期させるために、バンドのテンポキーパーであるドラマーがシーケンストラックに同期された“クリック”を聴くことで、バンド全体のリズムをキープします。
ちなみに実際ドラマーが聴いている“クリック”はこんなやつ。
もちろんステージ上にこのような音を出すわけにはいかないので、ドラマーはヘッドフォンやインイヤーモニターを利用してひっそりとクリックをモニターします。
やりたいことは非常に簡単なのですが、これを実際ライブでやるとなるとそれなりの機器やテクニックが必要です。次回は具体的な機材等を紹介しながら、実践的な“打ち込み”の仕組みを解説していこうと思います。
1.「バンドとシーケンスの同期(“打ち込み”入門編)」
2.「実践的な“打ち込み”システムの構成とその問題点」
3.「一応完成版 “打ち込み”システム」












